火曜日の終わりに

マイアミパーティというバンドで歌っている。


駅前ではいつも同じ人がティッシュ配りをしている。
ティッシュを差し出されるたびに断り続けていたら、ある時からティッシュを僕に差し出さなくなった。

愛情の本質をそこに見つける。
受け取ってくれない人に差し出し続けるのではなく、受け取ってくれる人を探すのだ。

- - - - - - - - キリトリ - - - - - - - -

ピーターパンは青空を飛んでいるから自由に見える

曇天の中飛び回っていても自由には見えない不思議

寂しさでしか殺せない最強のウサギは

人々の期待を裏切りあっという間に死んだ

生まれたての不安や不満を

温かいうちに誰かに聞いて欲しかった

夢にはいつも違う人が出てくる

共通点は一つ

もう会えない人ばかり

線引きも駆け引きも何もなく

また会えたらいいな

- - - - - - - - キリトリ - - - - - - - -

様々な形の愛を見守り、

大切な人のところまで友達を見送り、

見えないところまで見届け、

自分自身はといえば何かを見逃したつもりでいて、

ずっと何かを探している。

求めるのが誰かじゃなくなる時もある。

そんな自分がとても嫌いで、とても愛おしい。

この平凡で退屈ななんでもない一日を

面倒だなと思いながらも、
一日の始まりには歯を磨き、ヒゲを剃る。

一日中マスクをつけるのが常になり、
いよいよ誰のためにヒゲを剃っているのか、
わからなくなって来た。

用事のない日は昼まで寝てればいいものを、
わざわざ温まった布団をはぐって、
一日を有意義なものにしようと、もがいている。

そして、やりたいことも特にないくせに、
何かやり残したような気持ちのまま一日を終える。

ご飯を食べる時よりも、
食べ終わってお皿を洗ってる時のほうが、
「あー、生きてる」って感じがする。

お皿を洗ったり、
たいして汚れていない体をシャワーで洗い流したり、
多少サボっても何にも言われない、髭を剃ったり、
誰かが遊びに来るわけでもないのに、部屋を片付けたり。

僕は生きようとしている。
生きていようとしている。
体を洗うことで、髭を剃ることで、
毎日起き上がることで、外に出ることで、
部屋を片付けることで、バランスを保っている。

この平凡で退屈な、なんでもない一日を、
生きていたいときっとどこかで願ってる。

飛行機に乗って、未来のことを考えた。
僕は、「誰と一緒に過ごすか」ということに、
囚われすぎている。ある意味での囚人だ。

自分勝手に愛したり、
自分勝手を愛してくれたり、

もうすぐで29歳。

自由きままに頑張れるのは、
あと1年ぐらいだろうか、
30歳になったらどうしよう。

このままでいいのだろうか。
「いいわけないじゃん。」
うん、わかる、わかってるんだけどさ。


飛行機の中で24歳に書いた日記を読み返した。
希望に満ちていた。

夢は叶うんだと思ってる。夢はたくさん叶った。

あれもこれも叶った。

ただ、続けることが難しい。
こんなにも難しいものだと思わなかった。

それでも24歳の僕に、
「バンド始めたいんだけど、どうしたらいい?」
と聞かれたら、「やりな!」と即答する。

「やってもいいけど、やめれなくなるよ!」

とだけ付け足して。

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